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2016.07.08

ディアブロロッソⅢ インプレッション

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やっと実走ですね~、本当は最新のSSで評価したかったのですが未だに支度が出来ません。

止む無くMyR1100Sで評価することになりましたが結果的には適切な選択だったかも知れません。

まず欧州製スポ-ツレンジのタイヤとしては適正内圧は意外に高く設定されているようでBMWの推奨空気圧がもっともマッチングが良い(但し国産の250/290kpaではありません)

そして乗心地、つまりコンフォ-ト性は高くバンプやギャップの吸収性は高く外乱の収束性も良好ですね。

しかし細かく荒れた路面が続くようなベクトルの小さな振動の減衰性はイマイチ。

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これはやはりベルトのスチ-ルコ-ドの宿命の様なものでそもそもPCRと比較しトレッドゲ-ジのボリュ-ムが少ない為MICHELINの様に化繊のベルトを採用したタイヤと差が出るのは止むをえません。

とは言えロッソⅢはトレッドゲ-ジを厚めにしトレッドのセンタ-グル-ブも深くとり耐摩耗性とコンフォ-ト性に対応しているようです、これはブリヂストンのS21と同じ方向性と言えます。

ステア-特性はどちらかと言うと安定志向でロッコルやロッソⅡの様にフロントの内向性が強く出ない、これは低速域で舵が切れ込むというネガを潰したと言う所で非常にマイルドなハンドリングを示します。

低中速ではコ-ナ-リング安定性・バンク保持性も良好でトレ-ス性はオンザレ-ルと言ったところ。

しかし、高速域では全体にdullな特性となりクイックタ-ンやタ-ンインでスポ-ツタイヤとしてはレスポンスに不満が残ります。

只、グリップレベルは高く、接地感も高いのでコ-ナ-リング中に逆舵を充てる事も容易で自由度はそれなりに高い。

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PSSEVOが低速域から高速域までニュ-トラルなステア-特性を保持するのとは対照的。

またPP3やPSSEVOがフロンタイヤの剛性を発揮させ絶対制動でとても安定しているのに対し若干剛性不足でブレ-キングでの安定性はイマイチです。

逆にフロントがフレキシブルと言えばその通りでブレ-キング時のコントロ-ル性は高くブレ-キを上手く利用すればタイトなタ-ンインが可能・・・とも言えます。

これは正にMICHELINとピレリの公道におけるスタビリティ-の考え方の差と言えるのかもしれません。

またドカティとパイプの太いピレリが所謂フ-タ街道と言われるテストコ-スでの優先順位の違いと言う事かもしれませんね。

聊か基本設計の古くなってしまったロッソコルサとロッソⅡのネガを見直し、トラックでのパフォ-マンスはス-パ-コルサに任せ公道と言うキ-ワ-ドで開発されたのでは無いかと思います。

その辺はセンタ-グル-ブとショルダ-グル-ブの溝の深さの違いからも若干迷いがありそうですが・・・。ネガティブ比から見ても公道メインと考えられます。

無論、ピレリですからトラックでのパフォ-マンスは排除することは無くそれなりのポテンシャルは担保していると思います。

しかし、ピレリが舵を切ったのは確かでト-タルパフォ-マンスと言うミシュランのコンセプトに着目したとも言えるのかもしれません。

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ロッコルとロッソⅡの優れた面を足して磨き、ネガを潰し特性を均し多くの機種とのマッチング図ったのではないかな~~。

コンフォ-トスポ-ツとしてみるとPP3はウェット性と耐摩耗性そして摩耗による特性変化を極力抑えるためにあのパタ-ンを採用しています、ロッソⅢの場合サンダ-ボルトと呼ばれるトレッドパタ-ンとゲ-ジのボリュ-ム、そして溝の深さから考えると恐らくタイヤライフとパフォ-マンスの維持などト-タル的にはPP3を超えることはできないかもしれません。

そこは同グル-プのメッツラ-M7RRに任せたぞ!ってところかもしれませんね~。

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グリップレベルを考えるとPSSEVOと同等といって良いでしょう、ではPSSEVO迎撃として比較してみると・・・・・

高速域でdullな特性はハイパ-スポ-ツとしてはPSSEVOが勝りそうです。

しかし、例えばSSモデルなど少々車体のレスポンスが鋭過ぎて乗り難い状況下でロッソⅢを組み合わせると抜群のマッチングを見せるかもしれませんね。

この辺りもドカティ-のス-パ-スポ-ツの影がちらつくのは私だけではないかもです。

メッツラ-&ピレリを何故ミシュランと比較するのかと言えば欧州でMCタイヤの市場占有率がトップだったメッツラ-ピレリグル-プは一昨年、その座をミシュランに譲ってしまった。つまり奪還するにはミシュランを撃破すると言う事でしょうから。

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因みにブリヂストンのS21がS20EVOと良くも悪くも全く変わってしまったと戸惑っている諸兄も多いのではないかと思いますが。

ロッソⅢはまさにS20EVOが正常進化したらこの様な形もあるのだと示したような感じも受けます。

ワインディングや市街地では非常に扱いやすく安心感も高い、しかも疲れず楽しいタイヤであることは間違いありません。

何れにしてもロッソⅢはピレリのハイパ-スポ-ツラジアルの新境地を切り開く、そんな役目を負っているようですね。

巷で言われている・・・雑誌やディラ-さんがプレゼンしているロッソⅢとは少々違っていますね、ジェントル且スポ-ティ-なタイヤだと思います(今のところ)

コメント

おはようございます。
ロッソⅢは中々よさそうですね!ライフが気になりますが自分には合っていそうな感じです。
ところで例のテストライダ-さんのブログのコメントにレイラさんの事を書いている読者がいて、レイラさんがアチラのブログを意識し過ぎているとかなんとか書いていますね。
でも意識しているのは読者の方でご本人同士は全くそんなことはなくそれぞれって感じですけど。
と言う僕もアチラの読者と一緒ですね・・・・。

SUBALUさん、おはようございます。

形態は違うようですがタイヤテストと言う意味では興味はありますよ。

それ以外は興味はありません。

只、SUBALUさんと同じようにお客様からアチラ様の記事について質問を受けることが有るのも確かです。

一部、当店の取引先の製品をテストされているようなので記事が被る事も有りますが、別に意識しているわけではありません。

仰る通りそれぞれだと思います。

ただ・・・あれですね~ミシュランに関してはウチはディ-ラ-だし契約先ですから、ホンダのディ-ラ-さんがヤマハ押しだったら変ですよね。

でも他社であっても良いものは良いと思うし、販売もしています。

ロッソⅢも在庫しております^^

初めまして。
CBR600RR 09’なのですが、適正内圧を試してみたいですね。
調べてみたのですが、220/250kpaで当たっているでしょうか?
高速道路も大丈夫ですよね? ドゥカティの指定空気圧の方が、更に低いですし。

原則、ご本人が快適と感じるのであれば良いと思います。

私の場合フロント225/リア240kpaでした。ご参考まで。

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