2014.07.18
特性
特性とはa characteristics キャラクタリスティックス、つまり性質。
某サスペンションのプロショップさんがあるバイクのサスペンションを現在のタイヤの特性に合わせてセットアップしたとの記事を拝読いたしました。しかもRサスはOHLINSをワンオフで製作。
私の場合も常日頃からタイヤとサスペンションの相関性に重きを置いて健脚業務に励んでおります。
その記事中の現在のタイヤ特性に合わせたセッティングと有るのは果たして如何いう事なのか・・・脳内は?マ-クで・・・満タン。
「現在のタイヤ特性」とは何ぞや?そんな広い意味での共通した特性があるのか?
そもそもタイヤの特性とはパタ-ンによるものポリマ-の違いによるもの、外郭断面形状や寸法差、構造、マテリアルや内圧等々その差は多岐にわたるもので過去と比較し「現在の」と一括りにできる特別な性質は無いと考えます。
敢えて現代のタイヤの特徴(的)なテクノロジ-といえばシリカ(珪素)をカ-ボンブラック(炭素)に置き換え補強材としている、または配合していると言う事でしょうか。
その中でもエコタイヤと言うカテゴリ-については大きな意味に置いて現在のタイヤの特性と言えるかもしれませんねぇ。
シリカはカ-ボンブラックと同属でその「特性・性質」が酷似しているのでゴムの補強材として大変有効です。
更にカ-ボンブラック対比で摩擦係数が高くしかも転がり抵抗が抑えられると言うゴムの醸成が可能です。
因みにグリップについては複雑にに絡み合っているゴム分子が力の方向に引き伸ばされるときに分子鎖同士が摩擦しあって、それに要するエネルギーと時間が消費され、このとき消費されるエネルギーがヒステリシスロス。
これにより結果的に熱エネルギーにも変換される訳で・・・ゴムの大きな特徴の一つと言えます。
力のエネルギーを熱エネルギーに変換することにより、音や振動の伝達を減衰する作用にも繋がります。
さて、シリカをカ-ボンブラックに置き換えた場合、低温ではヒステリシスロスが発生しにくく高温になると急激にヒステリシスロスが発生する特性を与える事が可能です
これはシリカの方がカ-ボンブラックと比較しゴムとの結合力は劣っているものの、それを添加剤で補う事が可能になり性質変換の効果も大きく様々な特性を持たせる事が(近年)出来るようになったと言う事。
よって想定した熱領域で一気にゴム分子鎖を活性化させることも可能である・・・うんぬん。
簡単にいえば通常走行の時は転がり抵抗を抑え、ブレ-キングやコ-ナ-リング等の負荷が加わり発熱する事によって摩擦が急激に高まる、つまりグリップ力が高まる作用が得られます。
正にエコタイヤの特性ですが、広い意味で現在のタイヤの特性と言えるのかも知れません。
タイヤメ-カ-の研究室や薬剤メ-カ-の手によって更に進化した様々な特性を有したシリカゴムが完成しているようです。
なので現在ではエコタイヤからハイグリップタイヤまでシリカゴムのオンパレ-ドです。
しかしてそのノウハウは極秘中の極秘。
そんなハイテクノロジ-である現在のタイヤのポリマ-の特徴を一点に集約しサスセッティングに生かしていると言う事なのでしょうか・・?
ってそんな訳は無いと思いますけど。
一体、現在のタイヤの特性とは何を持って仰っているのか謎ですね。
まぁ何となく営業ト-クであって深い意味は無く・・・・タイヤの事も分かっている風に見せたい・・・みたいな。
実はそんな所なのかもしれませんね。分かりませんけど・・・。