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2014.06.10

POWER3 again

POWER3は発売前から実走による評価依頼を受けて検証したタイヤです。

とても優秀なタイヤですが守備範囲が広すぎてポジションがボケてしまっている。

どうもそのような状況なのでもう一度確りPOWER3を検証。

先ずPOWER3を評価する上で大切な項目は2点。

適正な内圧とケ-スそのものが外径成長した後での評価が真のPOWER3と言う事です。

なので短期のインプレッションではその実力を知ることはできません。

因みに外径成長が落ち着くのは200km前後。

以前にも記事にしましたが内圧を必要以上に高めることで剛性を得ようとすると反発力が高くなりネガティブな要素が高まる。

これはスポ-ツでも競技用のボ-ルに内圧規定が有ることからも分かると思いますが規定内圧にはかなり幅が有ります。

その理由はフィ-ルドやその条件の中で最適な特性を与える為に他なりません。

タイヤも同じく適正内圧でこそハイパフォ-マンスを発揮する。

POWER3は特にその傾向が強いタイヤです。

POWER3の内部構造は各部の剛性バランスを絶妙に構築しており、グリップ特性と言う点に置いてもケ-スとラバ-の特性を絶妙にシンクロさせる事でその能力を発揮させています。

絶対摩擦力が大きい訳ではないが公道において過不足は無く様々な路面状況に適応するフレキシブルな特性はそのバランスから生み出されています。

この特性はウェット性能に大きな貢献をもたらし現在市販されているスポ-ツタイヤの中において比類無きパフォ-マンスを発揮する。

そのレベルは一昔前のインタ-ミディエイトとアプロ-チは異なるものの同等以上の能力です。

つまり内圧の過多はケ-スの動きを阻害するのでケ-スとラバ-のフレキシブルな活動を引き出す事がPOWER3のハイパフォ-マンスを引き出すポイントに成ります。

そもそもラジアルタイヤは周方向に対して90°に巻かれたカ-カスコ-ドと0°に巻かれたベルトで構成されている・・・と言うのがベ-ス構造。

しかし、実際はコ-ドの特性である平行の力に対しては強いが垂直の力に対しては弱いと言う点が有る為、それぞれ狙ったステ-ジに対応した角度が付けられています。

スポ-ツカテゴリ-タイヤのカ-カスは90°から角度を振る傾向にあり、あらゆる方位、条件に対して反発力、剛性を確保する角度と強靭で且つしなやかな材料の組み合わせにより能力を担保する手法は各社ともに共通するところです。

無論、ベルトに関しても同じ事が言えます。

カ-カスやベルトの構成についてMICHELINのテクノロジ-は2ATと言う革新的な構造を誕生させ、この考え方は多分MotoGPにも生かされるのではないかと期待が膨らみます。(構造そのものでは無く考え方と言う意味です)

それ程、特に構造については一歩抜きにでいる事は間違いありません。

POWER3の場合、MICHELINの考えるストリ-トラジアルとしてベストな角度が与えられており採用されているポリエステル系コ-ドの特性が最大限生かされたケ-スが特徴です。

ナイロンの強靭さとレ-ヨンのしなやかさを併せ持つ特殊なポリエステル系コ-ドは2CTプラスと言う積層構造のトレッドとシンクロし絶妙の剛性感としなやかなステア特性を実現しています。

路面に食い込む様なグリップ力や接地感と言う物ではありませんが故にライダ-を疲れさせないラグジュアリ-な操舵感覚を産み出しています。

私が見るPOWER3は公道においてあらゆる条件、荒路面やミュ-の違い、路面温度の差、ドライ&ウェット等に対応するマルチパフォ-マンスを与えられたグランドスポ-ツ。

つまり他社に類を見ないワイドなカテゴリ-のタイヤだと言える。

マイレ-ジ能力は他社のツ-リングモデルと同等以上でグリップレベルはドライではスポ-ツカテゴリ-として十二分なレベルでウェット性能、ハ-フウェットでのポテンシャルは如何な公道用タイヤもこれに追従出来ない。

衝撃の吸収性に優れ、外乱による収束性も高く極低速時の安定感と言う所を除けばコンフォ-ト性も申し分ない。

ステア特性は応答性に優れ中速域以上でのタ-ンインは抜群の安定性を発揮しタ-ンアウトはタイトでトラクションを与えれば前輪はピタリと立ちあがりラインをトレ-スする。

POWER3は絶対グリップやサ-キットでのハイパフォ-マンスを追求したタイヤでない事は確か。

まぁ言わば優れたパワ-ステアを搭載したスポ-ツセダンとでも言えば良いのかもしれませんね。

因みに私のR1100Sでは内圧はフロントで210kpaリアは状況により200kpa~220kpaで使用しています。

当然、車重のある機種では内圧を高める必要が有ります。

また同じMICHELINでもROAD4等ではとてもこの内圧では低過ぎて走行に適するものではありませんので同じ会社の製品で有っても適性値はそれぞれです。

なのでPOWER3に限定しての内圧で有ると考えて頂ければと思います。

因みにS20、S20EVOとPOWER3はよく比較対象として扱われていますが・・・

今回、たまたまS20EVOと同時期に実走評価をする事に成りました。

単純に比較すれば例えばサ-キット走行のパフォ-マンスに関して言えばPOWER3はS20EVOに及びません。

しかしテストコ-スの様な荒路や低ミュ-路、ウェット路が点在する様な状況下においては明らかにPOWER3が勝る。

要は比較できないレンジのタイヤと言う事だと思いますね。

どちらのタイヤもそれぞれのステ-ジにおいて優れたタイヤであると言えます。

ご安全に(^.^)/~~~

コメント

いつも楽しく拝見させていただいております。

当方08CBR1000RRでパワー3を履いてますが(公道、峠)、フロント2.1、リア1.9で使用しておりましたが、エッジで使う際にリアが潰れすぎる感触があり、現在フロント2.2、リア2.1のエアにしてみて現在は良い感じです。

走行距離が2000kmを超える現在もフロントのステア特性に変化が少なく気に入っております。。。

今度はパワースーパースポーツにしようかなと思ってましたが、パワー3も捨てがたいですね!

しばらくは楽しく悩めそうです(笑)

ヨシさん、こんにちわ。

インライン4は若干フロントの内圧は高くなる傾向にありますね。

しかし、その辺はライダ-の好みや感性でも違いが出ると思います。

内圧は良いところで使われていると思います。

因みにス-パ-スポ-ツはグリップレベルもワンランク上でステア特性はPOWER3よりニュ-トラルです。

ありがとうございますm(__)m

次期タイヤはスーパースポーツにしてみたくなりました(笑)

個人的にはス-パ-スポ-ツが気に入ってます(^.^)/

こんばんは。
パワー3を11YZF-R1に履かせております。当方はフロント・リア共に2.2で調整しています。
軽快な操作性・ロンクライフな点が気に入って只今2セット目を楽しんでおります。

レイラさんがおっしゃる「タ-ンアウトはタイトでトラクションを与えれば前輪はピタリと立ちあがりラインをトレ-スする。」この感じがよい感じに取れず当方の感覚だとあまり曲がらない・・・曲がった先が、アクセルオン時点で決まってしまい自由が利かない・・・仕方ないからさらにバンクさせるとあら不思議しっかり曲がるって感じがあります。
また、「優れたパワ-ステアを搭載したスポ-ツセダン」という表現もやはりバンク角がキーポイントな気がしますがどうでしょうか?そのようなクセがあるタイヤなのでしょうか?

みや~んさん、おはようござます。

鋭いご指摘ですね。

その下りは逆にいえば自由度が無いと云う感じにも取れますね。

仰る通りPOWER3の旋回性はキャンバ-によるところが大きいのは確かです。

特にクロスプレ-ンのR1との相性はその傾向が強く出るかもしれません。

フロントのプリロ-ドとのバランスも有りますが伸び側の減衰を掛ける方向でセットアップすれば変化を感じられると思います。

またリアのプリロ-ドの不足や圧力側減衰の不足などでも2次旋回のタイトなフィ-リングは損なわれると思います。

POWER3は以前にも記事にしましたが機種によってはサスセッティングも含めてパフォ-マンスを構築する必要が有ると思います。

大げさなものではありませんがカチカチっとリ・アジャスティングしてみてください。

返答ありがとうございます。
当方は、とばしツーリングしかしないのですが、路面が悪い所でも跳ねない・柔らかい・乗り心地のよい方にサスセットを振りますが、それが悪さをしているということですね。
一度、カチカチっとリ・アジャスティングしてみたいと思います。

みや~んさん、ご安全に(^.^)/

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