意外と云っては失礼ですがランドマスタ-ジャパン製のチタンアクスルシャフトのポテンシャルに少々驚いています。(良し悪しは別として)
STDのシャフトと比較し先ず微細なギャップの吸収性が明らかに違います。
タイヤトレッドのダンピング特性が向上したかのような感じでサスペンションが吸収し切れない部分での振動緩和が確認できます。
これはチタンの持つ振動減衰力が働いているものと思われますが、今回の場合R1200RTのバネレ-トが私の体重では高すぎる事ともあり小さなギャップでも突き上げ感がかなり大きかった事も有り効果は大きくその差は歴然。
これはラジアルタイヤのベルト材の特性異差とよく似ていて、スチ-ルベルトと化繊のベルトの特性の違いや撚りの差と近い感覚でしたね。
またステア特性についてはR1200RTの場合、上りのコ-ナ-等で操舵に若干安定感が無くなり舵が切れこむ傾向が見られますが、これも緩和されています。
多分、セルフアライニングトルクの働きが強力なバネの様な特性をもつチタン合金によって多少プラスに働いているのかもしれません。
特に低中速域でハッキリと確認できるのでUタ-ンがし易くなったと言うのは分かり易い表現かもしれません。
この穏やかとも言えるステア特性の変化は低中速域ではポジに働いているのは確かです。
クイックタ-ンも安定し妙なお釣りは皆無。
しかし速度域が上がるとクイックタ-ンはdullな傾向と成り、複合コ-ナ-ではアンダ-ステア-傾向となるネガが顔を出します。
但し、ツアラ-として考えれば要件順位は下位で実使用域では問題にはならないと思います。
逆にいえばダイレクト感は減少しています。
つまりスポ-ツ性には多少劣るがコンフォ-ト性はかなり向上する。
が・・・しかし、実際は操る側の安心感は高くなるので実運動性は変わらない、若しくは向上したと感じるかもしれません。
それだけ思いきったライディングに繋がる感覚的な特徴を有していると言えると思います。
ハッキリしたメカニズムは私には分かりませんが、違いは明らかです。
因みに、アクスルシャフトの特性がステア特性に影響を与える事はいまさら言うまでも有りません。(支配的に激変するわけではありませんが・・・)
MotoGPマシンでは大径のクロモリのアクスルシャフトが使用されていてコ-スやライダ-の好み(と思われる)によって肉厚などが微調整されています。
また場合によってはタングステンのバラストをシャフト内に装着し、安定性やチャタリング対策としています。
つまり軽ければ良いと言う物ではありませんが剛性や撓り等の特性はステア特性に大いに関係すると言う事です。
レ-ス等で使用されているクロモリはタイヤやサスペンションを含む車体特性のエッジをハッキリさせると言った性格を持ちコンフォ-ト性は無視と言っても良いでしょう。
(これは私的な体験談でも有ります)
特性変更はサスセッティングやディメンジョンやジオメトリ-でやると言うのが基本だと思います。
チタン合金のアクスルシャフトは言わば対極に位置し、アプロ-チそのものが異なるのではないかと。(多分)
とは言え、トラックを前提としてもセッティング次第ではプラスに働く潜在能力も有るかもしれません。
試す機会が無いので分かりませんが・・・(RTでは無理です)
もしもレ-スフィ-ルドでもレギュレ-ションの変更でスピンドルにチタン合金が使用できるようになったら面白い事に成るかもしれませんね。
但し、どちらも単にポン付けではドカンとネガが顔出す可能性も有ります。
タイヤは勿論、確り機能するサスペンション、充分整備された車体が大前提だと言う事も付け加えておきたいと思います。
またチタンアクスルシャフトの特性はOHLINS等、能力の高いサスペンションやタイヤの特性を上回るものではありませんがESA等でサスを換装出来ない機種等にとっては効果的に働くのではないかと思います。
最後に、車体が軽く感じてしまいます。重量差等僅かなものですが何故そう感じるのか良く解りません・・・多少なりとも操安性に対して精神的なストレスが改善された為なのか?
まぁこちらは物理的な事象では無い事は確かですね・・・^^;
※耐久性の担保については私には判断が付きませんので興味のある方はランドマスタ-・ジャパンに問い合わせれば有る程度明快な説明を受けられるのではないかと思います。