2019.07.26

バ-スト

先日の事ですが某大手?公務員の方との会話の中で最近高速道路でのタイヤバ-ストの事故が多いというお話をお伺いしました。

(MCではなくPCRの話です)

トレッド剥離等の考えられる原因について異常低空気圧に起因することが多いとお話したところ・・・

かなり勉強されているようで専門的な質問を頂きました。

異常低空気圧に起因するとした検証が正しいと思う根拠は何か? タイヤそのものの構造的問題はないのか?

また異常低空気圧やパンクした状態で走りセパするほど加熱されればトレッドも異常溶解している筈?

しかしバ-ストした多くのタイヤに異常溶解は確認できない例も多いと。

まぁ概ねそんな内容でした。

私はセパした現品を見たわけではありませんしバ-ストの原因は異常低空気圧の他にも劣化や外傷に起因することも有ります。

先ず完全にパンクした状態で有れば高速走行は無理ではないかと思います。

タイヤが異常をきたす可能性のある空気圧を指して異常低空気圧としていますがこれはタイヤによって数値は異なります。

例えば異常発熱とは概ね100℃前後のタイヤの内部温度であり、セパレ-ションの起りうる温度です。

またここ迄温度が上昇しなくとも低空気圧による走行ではタイヤがクリ-プすることによってベルト端部の歪が増大し最終的に破たんに至ります。

この時にタイヤ表面のトレッドゴムがドロドロな状態であるとは限りません。

バ-ストの原因が製造上の問題なのか使用条件に起因したものなのかを判定するのは難しいものですが・・・・

私自身、クレ-ム判定の専門家では有りませんがメ-カ-に属している専門の技術者が判定している、またJATMAの判定であればほぼ間違いは無いと考えます。

因みにラジアルタイヤは、コ-ド角度が周方向に対してほぼ90度(赤道方向とも言う)に配列されています。

この両端を一対のビ-ドコアによって係止されたカ-カスプライと、トレッドゴムとの間に複数のベルト補強層の巻き掛けを行い構成されています。

ベルト剛性の高さは操縦安定性や耐摩耗性を大きく左右しています。

しかし反面このベルトの剛性を高めれば高める程、ベルト端部における層間剪断歪が大きくなりセパレ-ションが発生する起因ともなる事は物理的事象でもあります。

故に高度なマテリアルの研究開発を怠ることなく行いネガを押さえメリットを最大限に生かすタイヤを創造しているわけです。

この辺りの技術力もメ-カ-の力の差でもあります、ギリギリ可なのか余裕のよっちゃんなのか(^^;

ある意味デリ-ケトでもあり精密機械のようなタイヤ(一部を除いて・・・)

黒くて丸いゴムの塊ではないのですよ~!

くれぐれも日々のメンテナンスを心がけましょう。

ご安全に。

2019.07.25

接地面積と摩擦力

MotoGPの専門サイトで面白い記載が有りました。

現在のMotoGPマシンはタイヤの状態をリアルタイムでライダ-にライブストリ-ミングされているようですねぇ。

ホイ-ルウェルに取り付けられたセンサ-で圧力と温度を計測し外部は赤外線によってタイヤセンタ-と両サイドそしてカ-カス界面温度を計測しています。

これはタイヤ温度の上昇・下降によって接地面積が変化し摩擦力に影響を与える為、走行中の状態をモニタリングし今現在どの程度のグリップレベルにあるかライダ-が把握できる・・・まぁサポ-トをしているといってよいでしょう。

接地面積がグリップ力を左右するという事をMotoGPの世界ではとても重要視しているという事です。

無論、4輪の世界も同様ですが。

因みにモ-タ-サイクルの場合フロントタイヤの情報は非常に重要で且つ大切とだと私は思っています。

このフィ-リングがライディングを左右するとも考えます、まぁ電制出来ないフロントはせめて情報力でと徹底的に詰めているのがMotoGPの世界なのですねぇ。

力強い助っ人ですが最後はライダ-の感覚がモノ言うとは思います。

https://www.motorsportmagazine.com/opinion/motogp/vi-ales-ascent-rossi-s-descent-more-motogp-german-grand-prix

 

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2019.07.20

GTスペックについて考えてみる・・・

出る出ないと騒いでいたROAD5GTスペックが急遽販売となりました、但し現在のところ日本国内だけの販売。

ところでROAD4GTはバイアス構造とラジアル構造を融合した高負荷荷重に対応しつつコンフォ-ト性も損なわない・・・と・・

意外かもしれませんがバイアス構造はラジアル構造と比較し縦方向のバネ定数が高く耐高負荷荷重に優れるのです。

逆に縦方向のバネ定数が小さいラジアルは柔らかく乗り心地が良い・・・・ん?そうですかって話ですが・・・(;’∀’)

ラジアルの場合、良路では乗り心地は良いもののバンプやギャップを拾うとガツンとショックが大きくバイアスはわりとソフトにいなしてくれる・・・確かに。

これはラジアルには強靭なベルトが有る為バンプやギャップを包み込む能力が低い為。

これをエンペロッピングパワ-と言いますが・・・・現在はサスペンションが大幅に進化していて車両側がタイヤのネガをカバ-しているとも言えます。

2ATは恐らくそのことを前提に高負荷荷重能力に優れるバイアス構造とコンフォ-ト性に優れるラジアル構造をハイブリットし更に高負荷によるスタンディングウェ-ブを強靭なベルトで確り抑える・・・的な・・・・まぁそんな感じだと思います。

しかしROAD5GTには2AT構造は採用されていません。

では如何な要件をもってGTスペックとしているのでしょうか?

コ-ドの種類や番手、コ-ドアングル等々・・・とはいえ見てみるとポリエステル系&アラミドとSTD品と変わりません。

因みにポリエステル系のコ-ドはゴムとの接着も手間が掛かり特殊な処理が必要です、でも敢えてレ-ヨンでもナイロンでもなくポリエステルなのはMICHELINならではのこだわりも感じます。

またTBなどで能力の指標とするトンキロ管理、いわゆるWSを物差しとして同じように開発しているのかよく分かりませんが・・・。

ROAD5の様なACT構造の採用もなく何方かというとブリヂストン社のGTスペックと同じ方向ではないかと思います。

標準的な規格に沿ったというところでしょうかねぇ。一般的に認知されている内圧という点もあるかもしれません。

何方にしても車体、装備、ライダ-も含めた総重量と使用環境がとてもヘビ-である場合にGTスペックは活かされるというところですね。

ご安全に!

 

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2019.07.13

摩擦係数

摩擦力の大きさを表すのは摩擦係数μを使いますがF=μWの式で表されます。

Fは摩擦力、Wが垂直荷重つまりFはある剛体を引くのに対抗する力でWは剛体の重さ

その比が摩擦係数μという事に成ります。これがク-ロンの摩擦法則です・・・しかし・・・

ゴムの場合は金属や石材のような剛体ではなく弾性を示す材料でこの法則には従わないことが殆どです。

まぁ通常の工学部などで学ぶことも少なく多くはゴム関係の業界に入って初めて学ぶことが多いと思います。

ゴムの場合、接触面積が同じであれば荷重が増加すると摩擦係数が減少し同じ荷重であれば接触面積が大きくなると摩擦係数は大きくなります。

これは研究結果としてタイヤ業界では当然の物理で文献としても成立しています。

そもそもゴムは金属などの剛体と比較し摩擦係数は約5倍も高いものです。

とはいえタイヤの空気圧が低い方が良い訳では無く空気はバネとしての役割もありケ-スの構造等と合わせて適正であることが肝心。

空気圧の高い低いの話は別として・・・・

あるサイトで見かけたタイヤの接地面積が変化しても摩擦係数は変わらないという理屈はゴムには当てはまりません。

またゴムが弾性を示す材料はク-ロンの摩擦法則に従わないという理論を知る上で否定しています・・・・(^^;

がしかし内圧を低めると接地面積が広がり転がり抵抗が増加するとも仰っていてこれはヒステリシスロスが増加するという事ですから感覚的には分かってらっしゃると思うのですが。

因みに根拠はJAFの実験デ-タ-によるものとしており更に参考にしたであろう関連サイトにも目を通しました。

例えば制動距離は重量によって左右されない・・・仮に車両重量が2倍に成れば運動エネルギ-も2倍に成るので制動距離は2倍に成るというのは間違いで実際は垂直荷重も2倍に成るのでタイヤと路面の摩擦力も2倍に成り増えた運動エネルギ-と打ち消しあうので制動距離は変わらないとしておられます。

これは上記のゴムの場合、接触面積が同じであれば荷重が大きいほど摩擦係数は低下するという理論を完全に否定しています。

解説に整合性が有りません。

また関連サイトではブレ-キシステムに関しても例え同じ車のブレ-キシステムをブレンボなどの高性能なシステムに置き換えても制動力は変わらないと名指しで言っておられます。

例えば20tトラックにおいて満載でも空荷でもブレ-キ性能は変わらず制動距離は同じだと。勿論ブレ-キシステムそのものの性能は変わりませんが・・・

因みにこのJAFの試験デ-タ-は見つけることが出来ませんでした。

車重別の車種による試験デ-タ-は確認しましたが・・・これは当然という結果。

JAFの試験結果も別の項目(過積載)では積載量による制動距離の差が大きいというデ-タ-が記載されています。

また同じサイズの乗用車で一人乗りと5人乗りで制動距離には差がある事を示しており注意喚起しています。

ブレンボの性能云々というよりも軽自動車では十分なブレ-キシステムを20tトラックに採用したら・・・また逆では・・・・

そんなものは物理が如何とか言う前に結果は火を見るより明らかなわけで一つの物理法則にとらわれずもっと多角的視野と創造力を持つべき。

兎も角もク-ロンの摩擦法則はタイヤには当てはまらないということです。

別の記事でアクスルシャフトに関して解説しておられる記事は理路整然としており要点を確り抑えられていてます。

こちらに関しては同感でございます。

 

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2019.07.10

中々の理屈 (^^;

ツイッタ-でタイヤの空気圧を下げてもグリップ力は上がらないとしているツイ-トを見ましたが・・・・

同じ荷重であれば接地面積が変化しても摩擦力は変わらないと。

まぁどの程度の数値からどの程度下げたかにもよりますが・・・・。

しかしグリップ力が上がった感覚は確かにある・・・しかしそれは転がり抵抗が増しただけでグリップが上がった訳ではないと。

車両メ-カ-で開発にかかわっていた方の様ですがタイヤメ-カ-の研究論文すら否定していますねぇ。

でもね内容的にはク-ロンの摩擦法則がベ-スの様で・・・ゴムには当てはまらないことが多いのですよ。

そもそも転がり抵抗の増大でグリップが上がったように感じるだけって・・・転がり抵抗の90%はヒステリシス・ロスですから(^^;

そういえば昔、某車両メ-カ-のレ-ス部門の担当者さんと打ち合わせをやっている時、タイヤはこうだろうと紙にデッサンを書いてきた人がいましたが・・・まぁちょと・・・いや物凄く違います・・・なんてことが有りました。

同じ会社にいた人みたいですね(^^;

2019.07.07

ライトクラス

アジアはもとより国内でもライトクラスの販売は好調の様ですね~。

80年代90年代の空前のバイクブ-ムの時代とは比較しようもないですが・・・・

それでも若い世代や一度は大型に乗っていたリタ-ンライダ-の方々もライトクラスに大いに興味を示しているようです。

ウチのお客様ではありませんが自宅の近所の方にもNinjaやCBR250を購入された年配の方が居られます^^

へぇ~バイクに興味があったんだ・・・・みたいな。

カワサキも秋には4気筒の250ccモデルを発表するとかヤマハも3気筒250ccを開発しているとか市場も活気づいていますね。

そんな中タイヤメ-カ-もライトクラス向けの新商品を市場に投入しています。

がしかしタイヤメ-カ-の考え方も様々で例えばブリヂストンはハイグリップ系スポ-ツ系を主体としダンロップは全てのカテゴリ-を網羅していますがツ-リングモデルに関してはGPR300でスタンダ-ドな感じ。

BSはBT92みたいな・・・・(^^;

そんな中ミシュランはCUP EVOやPOWER RSに続いてROAD5を新たに投入。

元々PILOTストリ-トラジアルがラインナップにありこれはGPR300等と同セグメント。

ここにラグジュアリ-スポ-ツツ-リングなROAD5を加えて果たしてライトクラスのユ-ザ-層に需要はあるのか?

思いつくのはVTRやCBR250R、80年代90年代のミドルクラスなどでしょうか?というかROAD5のライトクラスは如何なキャラなのか?

それぞれのタイヤのキャラはカタログには記載もありメディアさんのインプレも有りますがユ-ザ-さんの本当に知りたい情報はそのタイヤの持つパフォ-マンスは無論、耐久性や磨耗によるキャラの変化等ワ-クショップ的なものではないかと思います。

この辺りの情報は国内メ-カ-さんは当然持っていますが輸入メ-カ-さんは本国は持っていてもなかなか伝わり難いというのが実情ではないかと思います。

なのでエンドユ-ザ-さんにセグメントが適切に伝わらないとか迷走することも多々あります。

まぁライトクラスに限った話ではありませんが・・・・(^^;

それは兎も角、ライトクラスの殆どは一部アドベンチャ-タイプとモタ-ドそしてスポ-ツ系でツ-リングモデルってありましたっけ?

現行ではVTRが近いかなとも思いますが・・・・如何なんですかねぇ?価格もPOWER RSとほぼ同額だし。

ROAD5ライトクラスを如何にアピ-ルして行くのか考え中であります・・・・・

 

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2019.06.25

ピレリも値上げ

ピレリジャパンは9月1日より平均3%の値上げを実施すると発表。

MC関連ではブリヂストン、ミシュランに続いて3社目に成りますねぇ。

値上げの理由はどこも同じで物流関連費の高騰としています、まぁ時期については消費増税の10月より前に実施し便乗値上げというイメ-ジを避けたい考えでしょうねぇ。

消費税増税と合わせるとかなりの値上げに成りますが・・・・消費の冷え込みが恐ろしいですねぇ。

因みにMICHELINのMCラジアルの主要銘柄は今のところ値上げ対象外です。

MCタイヤではブリヂストンが最も高価なものになりますね。

 

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2019.06.09

タイヤ試乗会の空気圧

タイヤメ-カ-が開催している新商品の体感試乗会について思う事・・・・・

以前は各社ともに試乗会場がサ-キット等のクロ-ズドコ-スであることを理由に使用車両の指定空気圧ではなくタイヤそれぞれの適正空気圧を与えていました、特に海外の試乗会ではその傾向が高いですね。

メ-カ-側の説明としてはあくまでもサ-キットに準ずるクロ-ズドコ-スなので一般公道で使用するときは車両それぞれの指定空気圧で使用してくださいというもの。

でもねぇ先導車付きの試乗はけっしてレ-シングスピ-ドなどというものでは無く公道と大した差はない。

ある時期から試乗会でも車両指定空気圧で実施しする傾向に成って来ましたが・・・・・

これはコンプライアンスといった意味も含まれていると思います。

がしかし、ここ最近某社をはじめハイグリップ系のタイヤはそれなりの内圧で同時に試乗するツ-リングモデル等は指定空気圧に近い値で実施するようになりましたね。

これまたサ-キットだからという理由が戻ってきましたが、試乗会でサ-キットだからという理由は建前でやはり適正空気圧で本来のパフォ-マンスをアピ-ルしたいというところだと思いますが、私はコチラに同意。

ハイグリップモデルとツ-リングモデルの比較等々、車両の指定空気圧で評価すれば結果は見えてるというものです。

せめてクロ-ズドコ-スの試乗会はそれぞれ適正空気圧で実施してほしいものですね。

建前は建前として説明すれば良いしヒント位は与えて欲しいものです。

・・・・・と私はそう思います。

 

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2019.06.08

スコ-チャ-31

当店では先ずご注文を頂くことは無いアメリカンなタイヤ・・・・(^^;

ク-テックさんから頼まれたので止むを得ず・・・ただしホイ-ルだけ外してきてね・・・的な。

にしても重たいですね・・・凄く。

130/80B18 & 180/65B16    因みにBとはベルテッドバイアス構造の表記です。

サイズも私の中では常識外(;’∀’)

2019.06.06

ユニフォミティマシン

先日、姿だけがKATANAな油冷1100のエンジンを抱え込んだバイクの健脚のご相談でご来店されたお客様。

車体パ-ツの製造からエンジンO/Hまですべてご自分で行われているようです。

しかしサペンションに関しては如何にも上手くいかないという事でご来店されたようです。

チェックさせて頂きましたが確かに不具合が有るようですね、お話から原因も想像は出来ますが・・・・

ところでお客様はタイヤの製造設備等に係るエンジニアさんのようでユニフォミティ-マシンの製造もやられているとか。

タイヤのユニフォミティ-とは簡単に言えば寸法や重量、剛性の分布等タイヤの均一性という意味です。

バイク用タイヤでは軽点マ-クが文字の如く一番軽い位置、PCだとハイポイントマ-クも打たれています。

これは一番硬い位置。

ユニフォミティ-マシンとはタイヤの検査工程で使われるもので均一性の検査と軽点の位置やハイポイントの位置を計測する装置です。

バラツキもある訳で修正する設備も存在しますが・・・・これって同じタイヤでも同じではないってな話です。

神鋼や三菱製がメジャ-なところですがお客様は現場部隊というか協力会社の方のようです。

輸出向けも手掛けられているようですが・・・・お話を伺っていると大手メ-カ-とはかなり基準が異なるようで・・・・。

メジャ-なメ-カ-は基準が厳しく製品の均一性は非常に高いのですがそうでは無いメ-カ-もかなりあるという事。

まぁ詳しくは書けませんが20年も30年も前のレベルってお話です。

それにしてもコアなお客様が多いですねぇ・・・ウチって(^^;

 

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