2019.09.15
サスペンションとタイヤのグリップ
以前、タイヤの摩擦力についてウンヌンカンヌン書きましたが、実は今年の夏休みに帰省した現役のRACINGタイヤの設計に携わっている後輩と会話しました。4輪の設計屋さんですけど・・・。まぁ私の書いた記事について色々と。
実際に現役のレ-シングメカニックさんでも荷重が高い方がタイヤのグリップは上がる、接地面が小さい方が摩擦力は高いと考えている方が少なくないようです。
根拠はク-ロン摩擦法則ですよね。
例えば軽量なフォ-ミュラ-カ-のレ-シングタイヤは何故幅広タイヤを履いているのか?
また一時期、F1はコ-ナ-リングスピ-ドを制限するためにグル-ブを義務付けて接地面積を減少させたのかって話。
一部のレ-シングメカニックさんやプロドライバ-さんたちが言う理屈であれば重い車体に細いタイヤを履かせたほうが摩擦力は高くなるって事に成りますが・・・(^^;
更にレ-シングカ-のウィングやMotoGPマシンのウィングは垂直荷重を増大させ摩擦力を高めるためのものではないのか・・・等々。
更にサスペンションにしてもレ-シングマシンに使用するものはハ-ドでこれもまた同義だと。
でもね・・・・ちょっと違うよね・・・・なんて話。
そもそもウィングは高速により浮き上がった車体を安定させるためのもので過荷重はNGで最適値を導くために苦労している訳で・・・
MotoGPマシンに当初フロントウィングが採用された際には過荷重が問題でフロントタイヤは耐えきれずブレイクしていた。
MICHELINさんも聞いてないよ~ってなもんですよね。
サスペンションにしても動的姿勢のコントロ-ルと操縦性に重きを置き、タイヤの摩擦レベルもその仕様に見合ったチュ-ニングがレ-シングタイヤ開発の基礎基本。
単に高いレ-トのバネにしたり荷重が大きいほど摩擦力が上がる訳ではありません。
そのタイヤの持つ固有の摩擦係数をいかに有効に引き出すかが肝。無論タイヤの構造に見合った空気圧による適正な接地形状と面積が前提の摩擦係数という事ですが。
健脚にしてもサスペンションをチュ-ニングしたからと言ってグリップが上がるという事ではなく、安定した接地と荷重の掛かり始めからMAXまでの過渡特性を含めてタイヤの持つポテンシャルをより引き出しているという事です。
結果としてグリップレベルが向上したと感じる訳ですからグリップが上がったというのは健脚前と比較して事実であるともいえるかもですが・・・そのタイヤの持つ本来の能力を引き出しているといった方が正しいと思います。
結局ストリ-トタイヤもレ-シングタイヤもそういった意味では同じところにあると言ってよいと思います。
因みにウェットな路面場合は少々理屈は異なります、水膜を排除する必要があるという意味で垂直荷重の大きさが有利に働くことも有ります、つまり相応な面圧と接地面積は条件によって異なります。
まぁ詳しく書けばとてもブログの記事の中では収まらず論文状態になるので知りたい方は是非、雨の平日、当店へお越しください・・・。
暇だったらお話させていただきます(^^ゞ
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