2013.12.29
OEMタイヤ
OEMとはオリジナル・エクイップメント・オブ・マニュファクチャラーズの略です。
4輪車、2輪車を問わず新車に純正採用されているタイヤをOEMと呼びます。
ところでよく質問されるのがOEMタイヤと一般市販されている補修用タイヤRE(リプレスメント)について。
巷には色んな話が有ってOEMタイヤは厳しい基準に沿って機種専用に造られているので高性能であり、REタイヤは多くの機種を対象に造られているので最大公約数が低くOEMに劣る・・・とか
いやいやOEMはコスト重視なので単なるホイ-ルカバ-、REタイヤはタイヤメ-カ-の意思の入ったタイヤなので当然OEMより優れている・・・等。
答えはどちらも正しいと言えますね。
OEMタイヤは車両メ-カ-とタイヤメ-カ-の契約の元に製造、そして納入されます。
つまりOEMタイヤの納入は契約に基づくビジネスです。(このワ-ド、重要です)
なので車両メ-カ-がその車両を開発しているコンセプト、そして生産台数や輸出国別の仕様や政治的配慮によってもOEMタイヤの内容は異なって来ます。
例えばOEMタイヤで有名な話の一つにポルシェ専用タイヤが有ります。
ポルシェはタイヤも含めてのコンプリ-トとして最高のパフォ-マンスを車両に与えると言うコンセプトの元、タイヤメ-カ-に大変厳しい要件を突き付ける訳ですが認定されたタイヤはポルシェの性能の一つとして評価される訳です。
(同じOEM認定タイヤでもメ-カ-別に能力の基準値によってAAAやAA、A等内部ではランク付けが有ったりします、公表はしません)
近年のニッサンGTRもポルシェと同じ様なコンセプトでOEMタイヤは開発されたらしい。
生産台数の少ないプレミアムな車両のOEMタイヤはその機種にとってはREタイヤよりも優れていると言う事に成ります。
故に納入価格もそれなりで同じパタ-ン、サイズのREタイヤと市場価格も異なります。
つまり高価で高性能なOEMタイヤと言う事に成ります。
対して一般大衆車と呼ばれる機種のOEMタイヤは生産台数も多く、コスト面が最重要視されます。
現在も同じなのかは分かりませんがタイヤの納入価格は1本単価では無く重量による価格に成ります、つまり一山幾ら以下と言う事に成りますねぇ。
OEMタイヤはREタイヤと顔は同じでもラバ-の質もコ-ド材も構造そのものも異なる場合も多くそれぞれ優劣が有ると言う事です。
まぁ特別な場合を除いてREタイヤと比較しト-タル性能が劣る場合が多いのも事実です。
ではモ-タ-サイクルの場合は如何かと言うと・・・・
欧州車の中にはポルシェやGTRの様に特化した能力を有したOEMタイヤが創られる事もあります。
その様なOEMタイヤはそのままREにスライドする場合もあります。
また生産台数がOEMのコストに見合わない場合はREタイヤがそのまま採用される事もあります。
その場合、案外適当に採用される場合もあります。(これは事実ですよ)
さらに言えばREタイヤをそのまま採用するにしてもコスト最優先と言う場合も多く入札によって選定されます。
例えば最近の大型スク-タ-にはアジアメ-カ-のタイヤがOEMとして採用される事が多く成っていますが・・・・
最低限の規格担保と性能を保持しているだけで・・・コスト最優先と言う事は誰でも解ると思います。
採用した側も優れたOEMとは思っていないのではないでしょうかねぇ。
つまりは転がす為のホイ-ルカバ-、これは程度の差こそあれスク-タ-以外にもその傾向は有ります。
ところでOEMタイヤは機種専用に特化した性能を有しているタイヤなのかと言うと・・・
如何かなと。
例えばカワサキのZZR1400のOEMタイヤはBSがS20(OEM仕様)、DLではロ-ドスマ-ト(仕様は不明)が採用されていますが、OEMとは言え如何考えてもステ-ジも特性も違ったタイヤです。
またBMW F800RではBSのBT014、ミシュランのパイロットパワ-等がOEMとして採用されています、全く特性の異なるタイヤです。
この事例の厳格な基準とは一体?って感じですよね。
まぁそれぞれに事情が有りますが、OEMがベストと言う事では無いと誰もが想像できるでしょう。
因みに、OEMの納入本数や部品としての供給期間はメ-カ-の間で契約を取り交わしますが車両メ-カ-が生産計画を何の予告もなしに下方修正する事もありタイヤメ-カ-は赤字をこく事になったりします。
普通なら違約として補償金なんて話に成るところですが、車両メ-カ-さんはジャイアンなので、あっ悪いね・・・程度で話はおしまい。
なのでタイヤメ-カ-によっては一般市場に特価商材として流したり、全品破棄と言う処置を取る事もあります。
この辺が企業の資質と言う所でしょうか。
ゼファ-750のOEMタイヤの様にG547/G548だったら誰でも良否の判断の付く所なんですけどねぇ。
OEMタイヤは車両メ-カ-向けだけではなくタイヤメ-カ-が関係する他のタイイヤメ-カ-向けに製造する場合もあります。
PCだとピレリのスタッドレスはTOYOが製造していたり、MCでも嘗てコンチネンタルのラジアルタイヤは日本のメ-カ-が製造し納入していました。
現在でもブリヂストンのバイアスタイヤの多くをIRCが生産しているようです。
因みにIRCはバイアスの技術は特化した物を有しています。
当然、バイアス仕様のOEMもそれなりのシェア-を誇りますがIRCの場合OEM有りきで開発された商品がそのままREへスライドしているようですね。
無論、REも有りますがOEM中心と言う感じがします。(あくまでも私感)
故にIRCのOEMタイヤのクオリティ-は高いと言えるかもしれません。
OEMタイヤこそがベストと宣言して憚らない某プロライダ-さんがIRC関係だったら、そのコメントもうなずけます。(妙にバイアスに詳しいしなぁ)
まぁ兎に角も・・・・
逆から話を見ればREであってもアスペクトな性能を突き詰めたタイヤ程、機種別のアジャスティングが必要不可欠と言う事にも成りますね。
突き詰めればの話ではありますけどね。
結論は専用タイヤとして優れたOEMタイヤも有るしREでも廉価版商材として生産されたレヘルの低いタイヤもある訳で・・・・
同じ顔、似たようなネ-ミングと言う所にメ-カ-の不徳を感じますね。
この手の事を一切行わない、納得できないOEMは作らないと言うメ-カ-さんもあるにはありますが・・・とても少ないですね。
ご安全に(^.^)/~~~
コメント
Comment feed
Comment