PILOT ROAD4のロングランテストはタイヤライフは勿論、摩耗による特性の変化等も検証して行きます。
しかし只々走る訳では無く、出来るテストや検証はその中で全てやると言うのが目的です。
先日の走行ではタイヤ内圧の適正値と上限、下限の確認と空気圧変更によるステア特性の変化もテスト。
まず下限の内圧は冷間でフロントで200kpa、リアで220kpaが限界で走行開始直後は剛性不足でスタビリティ-は充分で無くNG。
タイヤが温まり内圧が上昇すればパフォ-マンスは発揮しますが一般的な使用状況においてお勧めできません。
上限はフロントで260kpa、リアは280kpaが分岐点でこれ以上の内圧は剛性が高く成り過ぎで逆にスタビリティ-の低下が見られます。
内圧の許容範囲はフロントで210kpa以上260kpa以下、リアで230kpa以上280kpa以下と言う所だと思います。
因みにGTスペックでは無いので当然でもありますがJATMA規格でも通常180/55ZR17の最大負荷荷重能力は280lpa/365kg、270km/h超が最大値。
国内メ-カ-の多くが指定しているリアの内圧290kpaより低い空気圧ですがLI値、速度記号の担保に全く問題ありません。
また一名乗車でもっともROAD4のパフォ-マンスを発揮できる内圧はフロントで225kpa、リアで240kpa。
この数値は図らずもR1100SにBMW社が推奨した空気圧。
車重約220kg、私の体重が60kgですが一昔前の推奨空気圧は確りテスト確認の上と云う事が良く解りますね。とても親切な内容と言えます。
現在、国内では全ての条件において同じ空気圧が指定されていますがこれは不親切な数値だと思います。
機種によってはフロントもリアも規格の最大値を指定している場合も有り更には規格外の内圧指定も存在します(!)規格内の最大数値もしくはそれ以上(エトルト規格?)を指定しておけば問題ないと言う所でしょうか?
※但し、タイヤはOEM指定銘柄なのでREPタイヤについては指定内圧の範ちゅうに有らず関知せずと言う事かも知れません。
タイヤは壊れる事は絶対ないと思いますが楽しくも無い・・・。
内圧が高すぎるのはある意味では危険ですらあると思います。
因みにほぼ同系機種、同列のタイヤでありながら現在と数年前の推奨空気圧はフロントで70kpa、リアで50kpaも差が有るのは何とも理解ができませんね。
ところで・・・
ROAD4の場合、限度内で内圧を高めるとステアレスポンスは向上しどちらかと云うと穏やかなハンドリングがびっくりするほどスポ-ティ-なものに変化します。
反面、接地感は希薄と成り路面からのインフォメ-ションも掴みづらくはなります。
無論、コンフォ-ト性は低下しますがそれでも他社の同カテゴリ-レベルでもあります。
また実際のグリップレベルは充分に変化した特性に対応する能力を保持しておりサスペンションのセッティング次第ではシャキッとした走りも可能なタイヤだと確認できました。
この辺はやはりツ-リングカテゴリ-とス-パ-スポ-ツカテゴリ-のデザインそのもののアプロ-チの差がはっきりしており、適正空気圧に絶対的な差が有ると言う事です。
なのでもしもROAD4でサ-キット走行をする事があれば内圧は標準値、若しくはやや高めた方が有効であると言えます。
これは一般公道の走行でも機種やライダ-の求める特性によっては標準空気圧より高める事も有効であると思います。
(ここで言う標準空気圧とはフロント225~230kpa、リア240~250kpaです。)
また今回の記事の内容は標準のROAD4対象でGTスペックとは異なります。
GTスペックはフロントで最大270kpa、リアで320kpaまで対応しGTの目的でもあるタンデム、最大積載時の走行においてもコンフォ-ト性も保持しつつステア特性のキャラクタ-も消失しません。
但しこれはMICHELINが推奨するものでは無く私的検証による数値です。
空気圧については巷には様々な意見、考察が有る様ですが例えばGPで使用されるRACINGタイヤやST600に使用されるプロダクションタイヤ、そしてスポ-ツやス-パ-スポ-ツ、ツ-リングタイヤなど各カテゴリ-のタイヤを同じステ-ジで空気圧を語る事そのものが間違っている訳で各々適正な空気圧が有ると言う事です。
現状コストやPL法、フ-ルプル-フ的な考えが働き正しい情報が入手し難いと言う残念な状況ですが・・・
元エンジニアの端くれとして具体的数値を公開する事に致しました是非、ご参考にして頂ければと思います。
あくまでもご参考まで。
ご安全に!
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