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2016.01.14

タイヤの劣化

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タイヤの劣化について質問を頂く事が多いのですが・・・・

殆どの場合、トレッドゴムの摩耗とかゴムそのものの経年劣化を指してタイヤの劣化と考えている様ですね。

雑誌の記事や有る程度の専門誌でもそれは同じ様な話に成っております。

しかし、実際はタイヤケ-スを構成しているコ-ドについても劣化します。

レ-ヨンやナイロンは無論、ハイパ-なリヨセルやポリエステル系コ-ド、スチ-ルワイヤに至っても劣化は避けられません。

したがってコ-ドは繊維メ-カ-による様々な工夫がなされ進化をつづけています。

無論、タイヤメ-カ-も撚りやアングルなど日夜開発を怠ることなく進めています。

コ-ドの劣化とはすなわち弾性力や強度の低下でこれはケ-ス剛性が低下すると言う事です。

更にしなやかな反発力も低下すると言う事に成ります。

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例えばステア-特性の変化はトレッドの偏摩耗だけでは無くケ-スの劣化も影響を与えていると私は考えています。

またグル-ブデザインだけでは無くコ-ドの劣化は偏摩耗の一因でもあると・・・・。

フィラメントは材質によってそれぞれ特徴、特性を持っていますが最も強靭で耐久性が高いとされるポリエステル系コ-ドでも実際に数値に置き換えると驚くほど劣化すると言う事が見て取れます。

あるポリエステル系フィラメントは弱点の一つである耐光性はタイヤの場合殆ど影響は無いと思いますが耐熱性についてはかなり影響が大きい。

たとえば有る高強度ポリエステルコ-ドでは約60度の加熱で強度は20%も低下してしまいます。

タイヤ温度で60度なんて夏場なら直ぐに上昇してしまいます。

当然、弾性率や破断伸度も低下します、よって劣化や変化をも想定した構造が与えられていると言う事は先にも書きましたが、この辺はメ-カ-によってとても大きな実力差がある事は事実。

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そう言えばPILOT ROAD3は劣化による剛性低下や独特のパタ-ンから来る偏摩耗を嫌ってイニシャルの剛性を高め過ぎたきらいがありますが・・・

故に初期はしなやかさが発揮できずに硬いタイヤだと言う印象を与えてしまった・・・・

とも想像しています。

その経験値が世界最高のツ-リングモデルROAD4&ROAD4GTを産み出したと考えています。

一昔前、MICHELINはケ-スでグリップ力を生むなんて話を良く耳にしましたが直接的には正解では無いものの結果としては言い当てている話なのかもしれませんね。

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多くのタイヤメ-カ-はトレッドゴムに大きな拘りを持って開発を進めている様ですがMICHLINの場合、フィラメントやコ-ドアングルに大きな拘りを持っている訳で故に私の様な元開発者にとってはマジックとも言えるミラクルなタイヤを産み出してくる。

ケ-ス有りきのラバ-と言う考え方は理屈だと思います(そう考えるようになりました)

勿論、失敗してる場合もありますけどね・・・・^^;

大切なことは前車の轍は踏まない・・・と言う事だと思います

因みにトラック・バスや航空機のタイヤはリトレッドされますがそもそもMCタイヤと比較し超強靭なもので一度トレッドが摩耗した程度でケ-スは劣化しないと言って良いでしょう。

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それでも台と呼ばれるユ-ズドタイヤのリトレツドはメ-カ-が限定されていて中でもMICHELINは台としてとても信頼されているのは紛れもない事実です。なのでこの様なWネ-ムも信頼の証なのかもしれませんね。

タイヤを選択する際、ケ-スに如何なコ-ドが使われているのか、またアングルは如何なのか等もパフォ-マンスを計る基準に成ると思います。

更にコ-ドの周長距離によって密度や線径等も予測できる訳で・・・・・ってまぁ・・・そんなオタクなライダ-はいませんよねぇ・・・・^^;

要はタイヤの劣化はゴムだけでは無いと言う事です、ト-タルパフォ-マンスに大きな影響を与えるコ-ドにも少しだけ気を使ってみては如何でしょうかと言うお話です。

ご安全に(^.^)/

 

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